長岡鉄男 SP製作集

このページでは、私が実際に製作した、長岡鉄男先生のSPを紹介しています。


2004.3/4
D−118

<サイズ>H900・W190・D400
<ユニット>FE108ES(真鍮リング付き)
このD−118には、FE108ESの取り付けも出来るように、配線を逃がす隙間を作っています。更に、ユニット後方の空気がスムースに動けるように、バッフルの裏を削っています。ここを削らないとリングを併用した際、108ESのマグネットとバッフルの間には、ほとんど隙間が出来ないのです。(余談になりますが、私の所有するFE108Sのマグネットは円の中心からずれて接着されている為、リング併用時には、バッフルにマグネットがあたってしまい、取り付けが出来ません。これって、やはり不良品でしょうか?もう一つ、FE108ESUと108EΣの+−の端子の位置が逆なんですけど、そういう物なんでしょうかね??) 音のパワー感はESUの方が上ですが、中高域の抜けの良さは断然ESが良いです。これならツーイーターは要らないでしょう。ESU+ツーイーターであれば最高かもしれませんが、どうも私の耳には旧型が合うようです。(良質なツーイーターがあれば、また違うかも?)
2004.3/25
<番外編−1−>想い出の、長岡鉄男SP D−102

D−102は、私が初めて故長岡鉄男先生の作品を自作した、記念すべきSPです。Stereo誌に発表されてから、すぐに製作しましたので、もう随分前の事なのですが、その頃の記憶を少し辿ってみたいと思います。当時の工作道具は、金づち、釘、木工用ボンドのみ。さすがに道具不足で、完成したD−102はガタガタ状態でした。出て来た音も期待に反するもので、それは硬くて痩せていました。ど素人の私は、10cmのユニットでもBHにすると、30cmウーハーのような重い低音が出てくると思っていたのです。このように始めは期待外れだったのですが、フルレンジのBHの音を聴くうちに、今まで使用していた市販SPには出す事の出来ない、ある雰囲気に気が付きました。それは一言で言うと、”開放感”です。高音も低音もそれほど出ている訳ではないのですが、私はこの開放感の体験から、BHを手放せなくなったのです。「きっと、この音の先にこそ、自分の理想とする音があるに違いない!」そんな思いだったのかもしれません。セッティングとユニット(FE106Σ)のエージングが進んだD−102はエッジの利いた瞬発力のある音を聴かせてくれました。この頃よく聴いていたCDはボブ・ジェームスのTHE SWAN。高音質CDではありませんが、中低音がたっぷり入っており、D−102にとっては、相性の良い音でした。そして私は、自作第2作目としてあの大傑作SP、D−101通称”スワン”の製作に乗り出すのです。
2004.3/26
<番外編−2−>想い出の、長岡鉄男SP D−101(スワン)

ユニットはD−102にも使用した、FE106Σ+鉛。完成したスワンの音を聴いた時、その空間再現能力(いわゆる音場感ですが)には、度肝を抜かれました。それまで聴いた、どのSPとも違いました。それは今現在でも続いています。思い出深いのは、芸能山城組の輪廻交響楽を聴いた時です。1曲目の冒頭の低音や、人の声がぐるぐる回る音場にも驚きましたが、2曲目の女の人の不気味な声が耳元で聞こえた時はギョッとして、思わずその耳元を手で払ってしまいました。後日、友人にも聞かせましたが、「うわっ」と言いながら同じ事をしたのには笑いましたね。その後「気持ち悪い」とも言ってました。このようにスワンの音場感は素晴らしいと思いましたが、低域はカンカン鳴るような所があり、もう少し音に厚みと芯が欲しいと思ったのも事実です。スワンはマイナーチェンジを繰り返し、現在スーパースワンとなっていますが、まだ製作したことが無いので、いつか作りたいSPの一つとなっています。
2004.3/27
<番外編−3−>想い出の、長岡鉄男SP E−15(デスクマンン)

FE83使用の卓上スピーカーで、内容積3.3リットルのバスレフタイプです。低音はありませんが、刺激音が無く聴きやすい音でした。ただ、リンダ・ロンシュタットなどのボーカル曲を聴くと、声に変な附帯音が付きました。セッティングを変えたり、鉛シートを貼ったり、いろいろ手は尽くしたのですが、効果は全く無くお手上げでした。説明では吸音材は不要となっていますが、入れたほうがいいのかもしれません。
2004.3/28
<番外編−4−>想い出の、長岡鉄男SP MX−15

FE87(3本)使用のマトリックスSPです。内容積6リットル弱のバスレフタイプ。14インチのTVの上に置いて使用していました。マトリックスの効果はソフトしだいですが、音は縦横に大きく広がり、不思議な空間を作り上げてくれます。これは面白いSPでした。小型ですので低音は余り出ませんから、スーパーウーハーを追加すれば、映画もかなりの迫力で楽しめると思います。
2004.3/29
<番外編−5−>想い出の、長岡鉄男SP BS−69(ボトル)

天板に長大なダクトを持つ、内容積7.6リットルのバスレフタイプ。ユニットはFF125NとUP120を使ってみましたが、結局バランスの良いUP120を取り付けて、就寝時枕元に置いて使っていました。後にボトルの設計を元にした、T字型カーステレ用SPを自作して、軽自動車(4ナンバーのアルト)に搭載していました。こちらにはFF125Nを使用。BASSをMAXにしていましたが、全く音がこもらず、低音も量感があり、ハイスピードで散乱するサウンドは格別で、気持ちの良さでは当時の私のメインシステムを超えていました。このSPでよく”ジョー・サトリアーニ”を聴いていましたが、なにより大音量が出せたので、これはサイコーでしたね。この車は4年ほど使いましたが、気になるウレタンエッジの寿命も問題なく、よく持ち堪えてくれました。
2004.3/30
<番外編−6−>想い出の、長岡鉄男SP D−121

FF125Nを片チャン2発使用した、超小型BHです。5角形の後方開口型なので、部屋のコーナーに設置したり、床に直置きにしたりとセッティングには工夫を凝らしたつもりですが、中高域の強い個性は改善出来ませんでした。また、低域も余り出ていなかったと記憶しています。
2004.3/31
<番外編−7−>想い出の、長岡鉄男SP F−15AV

ダイヤトーン創立50周年記念限定生産モデルの、P−610MBを使ったバスレフです。内容積は約28リットル。このユニットで聴くF−15AVの音は、バランスがよく、適度な厚みと切れがあり、非常に”聴きやすい音”といった印象でした。高域は不足しているので、ツーイーターの追加は効果的ですが、思い切って本格的な2ウェイにしても良いと思います。実際に2ウェイ化された大型システムを友人宅で聴きましたが、歪の少ない綺麗な音が出ていました(ツーイーターはJBLの高級品でした)。F−15AVには、江川三郎先生推薦のDS16Fも、そのまま取り付ける事が出来ます。この箱でのDS16Fの印象は、P−610MB程の低音の伸びと厚みはありませんが、さっぱりとして切れがよく、能率はP−610MBより高いと感じました。ツーイーター追加の実験では、5HH10(テクニクスのツーイーター)を逆向きに設置して聴いたところ、アルバム”ノー・ストリングス”でのシーナ・イーストンのボーカルは、夜露に濡れるような、しっとり感と清涼感を兼ね備え、また臨場感もあり、今でも忘れられない音となりました。
2004.4/1
<番外編−8−>想い出の、長岡鉄男SP AV−90

トールボーイ型のダブルバスレフです。このAV−90は本来、AV−150R二本、AV−90四本の計六本でワンセットの構成となる、AVサラウンド用SPです。オリジナルではFE127を使用するのですが、当時手持ちが無かった為、UP120を取り付けていました。音の印象ですが、低域はかなり低い帯域までゆったりと再生し、中高域も繊細で聴き疲れしません。中低音の芯が軟らかく、押し出しも 強い方ではないので、ロックやジャズ向きではありませんが、クラシックはうまく聴かせてくれました。FE127を取り付けていたら、どんな音だったでしょう??それだけが、心残りです。
2004.4/2
<番外編−9−>想い出の、長岡鉄男SP F−90(河童)

10センチ用のダブルバスレフで、ユニットはFE103、FE107が使えます。丁度、人体の頭部(顔面)にスピーカーを埋め込んだようなエンクロージャーで、形のユニークな作品でした。まずFE107ですが、低域は芯が弱く、量感も少な目。中高域は繊細ですが、切れは程々。FE103を取り付けると、中高域の切れが増し、低域はやはり量感不足ですがスピードが上がりました。相性の良いジャンルとしては、意外にロックやポップス系が良かったと思います。
2004.4/3
<番外編−10−>想い出の、長岡鉄男SP F−62(ブルースカイ)

H900・W230・D370の中型共鳴管システム。ユニットは超強力型の16F20(テクニクス)。手頃な大きさで、工作も簡単なので作ってみましたが、この音にはついて行けませんでした。ユニットのキャラクターが強く、高域は綺麗な音でしたが、キンキンして耳に突き刺さるようです。低域は出てるのですが、やはり中高域に負けている感じで、全体としてはハイ上がりなバランスでした。とにかく音の抜けがよく、何を聴いても開放感抜群なのですが、これが仇となりソースをかなり選ぶSPとなってしまったようです。ただ、ハートの「バラッズ」に収録されている”all I wanna do is make love to you”(ライブバージョン)だけは、音像が等身大で臨場感抜群!会場のざわめき、拍手、ボーカルが生々しく、低域もフワッと軽いのですが量感もあり、思わず聞き惚れてしまいました。他のCDを聴くと共鳴管特有の癖が強く出て高域もきついので、聴きづらい音になりましたが、この曲だけは未だF−62が最高です。

16F20は個人的には大好きなユニットなのですが、最大の欠点はウレタンのエッジでしょう。10F20もそうですが、これは寿命が短すぎます。いずれ修理するつもりなのですが、予定は未定ですね。
2004.4/17
D−100

H900/W210/D400の中型BH。
ユニットはFE126E。D−100で聴くこのユニットの印象は、特に中域が滑らかで、高域はとげとげしさが無く繊細で高品位。低域は緩やかで量感があり、クラシックにもよく合います。芯の強さはFE108ESU程ではありませんが、このユニットには可能性を感じました。D−118に取り付けるとどうなるか?ますます興味が湧いてきてしまいます。
全体的なD−100の鳴りっぷりは、FF125Kを取り付けた時と、ほとんど変わりませんでしたが、しいて言えば低音の量感が増えた感じです。

D−100+FF125Kは
こちらをご覧ください。


2007.8/30
D−101S スーパースワン

私が製作したのは、美理音製の”ほぞ組みキット”のSスワンです。材質はMDFですが、塩ビシート貼りで、なかなか綺麗な仕上がりです。

ユニットはFE108ESを使用。本当はFE108Sの方が、音離れや切れがよく、それに力強さもあるのですが、現在他のSP(D−118改)に使っているので仕方ありません。

Sスワンは後方開口型BHです。狭い部屋では後ろの壁との隙間が狭くなるので低域がブーストされ、とにかく低音が豊かでスケール感のある鳴りっぷりです。

点音源SPシステムの利点である広大な音場は、私の狭い部屋では再現しきれません。そして、やはり小音量では覇気が無く、面白くない音ですので、広い部屋での大音量再生が、このSPには必要なのだと感じます。事実ボリュームを上げると、音が活き活きしてきます。

BHの癖は、調整と使い方で、かなり変わってくる印象です。今現在は、空気室にスポンジとサーモウールを入れ、開口部にはミニソネックスを立てかけています。これで洞窟音はかなり抑えることが出来ましたが、デメリットも生じています。
外気の影響も受けやすく、湿度75パーセント超が3日間くらい続くと、ホーンの癖は影を潜め、重低音がモリモリと出てきます。

たった10センチのユニットですが、能率が高いので、小出力アンプでも大きな音が出せますが、アンプの質の違いも顕著に現しますので、周辺機器にも気を配らなければいい音が出せません。

音質面では、今後のFostexの新ユニットに期待したいところですが、FE108ESでも、部屋と使いこなしが完璧なら、並みのSPでは太刀打ちできない力強い音が出ること間違いなしです!そしてこれは高能率ユニット+BHでしか出せない音です。

フィンランドバーチやシナアピトン製のSスワンはどんな音がするのか?一度は使ってみたいですね・・・。



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