実験室Z
2006.4/23
簡単ダブルバスレフ”Reach”の製作
サイズ:H300/W150/D250
内容積は”Midnight”とほぼ同じですが、構造を単純化した結果、より小さく、製作も簡単になりました。
ユニットはFF85Kを想定しましたので、第二ダクトの実効面積を大きめに設計。
−手の届く至近距離で聴くスピーカーシステムですので、”Reach”と命名−
<試聴・測定-1>
測定写真は、L+R(双方のSPから約60センチの距離/高さ45センチの台に設置)。左から3枚目の写真のセッティングで行いました。
小型エンクロージャー+FF85Kの組み合わせにしては、厚みのある音が聴けます。中高域はユニットの特性がそのまま出てくる感じで、ボーカルが素直でコンパクトにまとまり、高域は切れがよく賑やか。中低域は少しダブつく帯域がありますので、第二ダクトを絞った方が芯のある自然な音質が得られそうです。
2006.4/24
<試聴・測定-2>
第2ダクトが少々大きいと感じたので、5ミリ厚のゴムシートを丸めて差し込んでみました。FF85Kで試聴した結果、予想通り中低域が締り、素直に鳴ってくれます。これなら、FE83でもいけると思い、早速ユニットを交換。左から3枚目の写真が、その測定結果です(L+R)。音の違いは測定だけでは読み取れませんが、強力マグネットのFF85Kと比べると固さがほぐれ、厚みが増し、安定感のある聴きやすい音質になりました。
<今回製作した”Reach”の概要>
サイズ:H300/W150/D250
板材質:15ミリ厚ラワン合板(910×910 一枚)
吸音材:第2空気室には、高級吸音材の”ミニ・ソネックス”を使用。
塗装:水性ニス(2度塗り)底面は未塗装
2006.4/26
<試聴・測定-3>
測定写真は、マイクをユニット(FE83)から、2.1メートルの距離に設置したものです。マイクの感度が悪いので、ボリュームを幾分上げています。その他は前回と同条件。
部屋の影響を受け、F特バランスは崩れますが、50Hzが大きく上昇。1KHz付近も盛り上がり、FOSTEXらしいクッキリとした前に出てくるボーカルが聴けます。・・・が、セッティングを工夫して
、もう少し抑えた方がよさそうです。
CELINE DION/FALLING INTO YUO・・中高域寄りのエネルギーバランスになり、ボーカルが耳につく。
綾戸智絵/Time・・小口径泣かせのソフトですが、頑張って食らい付いている感じ。Georgia On My Mindには、拍手を送りたいほど!
DIANA KRALL/Love Scenes・・大型SPのようなベースは無理ですが、それなりに聴かせてくれます。ボーカルは、さすがFE83!!
ゲルギエフ・キーロフ歌劇場管弦楽団/ストラビンスキー:春の祭典・・50Hz上昇のおかげで、オヤッと感じる低域を再現。離れて聴くのも悪くないSPだと確認することが出来ました。
Sowelu/Geofu・・ダクトの共振周波数とソフトの相性がいいようで、パワフルな音!
松田聖子/fairy・・厚み不足で音量を上げると耳にきつい音。
2006.6/6
実験箱”バラエティー”
の製作

100円ショプで「ミニ三角スタンド(6個セット)」なるものを見つけて購入しました。写真のとおり、四隅に小さな穴が4つ空いていますが、この穴はFE83E などの8cmユニットの取り付け穴にピッタリ一致します。
早速遊んでみようと、簡単な箱を作り、コーンをホーン状に形成し、ダクトの先に取り付けてみました。
サイズ:H250/W150/D150
内容積約3リットル。箱の前面(バッフル)に、75Φの穴を2個空けただけの簡単な箱です。
ユニット2発使用の密閉/2発使用のうち1発をドロンコーンで使用/1発使用のバスレフ など、実験としては、色々と楽しむことが出来ます。
それぞれの音を試聴しましたが、密閉ではどの方式も低音不足で面白くありません。SA/F80AMG使用のコーンを装着したタイプでは、音に厚みが出てきますが、ポワッとして芯が弱く、中低域に少々癖があります。中高域は今まで聴いてきたSA/F80AMGの音の中では一番綺麗に聴こえました。
2006.7/17
Midnightを大型化!
サイズ:H450/W210/D250
中高域の質感にうるさい友人に背中を押されて”Midnight”の大型化に踏み切りました。
FE103M(メモリアル)用に製作依頼を受けたものですが、FE88ES−Rを付けてみました。
<試聴・測定-1>
測定写真は左から、軸上/L+Rです。共に45センチのスタンドにのせて行いました。
L+Rでは250Hzに大きな谷がありますが、聴感上はそれほど気になりませんでしたので、測定位置の変更で埋まるかもしれません。
Midnightをスケールアップした感じの鳴りっぷりで、レンジも上下に伸び、力強さ、中高域の質の高さは、ユニット自体の能力差を強く感じます。低域に対して、中高域のエネルギーが若干勝っているように感じますが、部屋の構造やセッティング、リスニングポイントなどで調整可能範囲でしょう。
この質感なら、きっと友人も大満足に違いありません!!ところで、FE88ES−Rは持っているのでしょうか?
2006.7/18
Midnightを大型化!−2−
FE103誕生40周年記念メモリアルバージョン、FE103Mにユニットを交換しました。(オリジナルモデルは、1960年発売)
Fostexには、今でこそFE88ES−Rという、ある意味フルレンジをブレイクスルーしたユニットがありますが、それ以前のユニットの中で、音に”粘り”を持ったFEは、この103Mが唯一でしょう。FE88ES−R以前の、歴代のFEシリーズの中でも特に歪が少なく、滑らかで繊細な音質は、貴重な存在です。
ユニットを取り付けてから暫くはピーキーできつい印象ですが、時間と共に滑らかさが顔を出し、弦は粘りを伴いながら鋭く弾けるようになります。低域は重過ぎず、軽過ぎずですが、もう少しレベルが高い方が、ソースを選ばず安定して聴けるでしょう。もっとも、部屋の構造やセッティングでレベルは変化しますが・・・。
1KHzを中心に盛り上がりがありますので、ボーカルが聴き取りやすく、抜けも良好。やはりバランスの良いセッティングが使いこなしのポイントとなりそうです。
2006.8/6
Midnightを大型化!−3−
fレンジを広げるために、内容積をアップして、ダクトのチューニングも行いました。サイズはH450(変更なし)・W190・D300。測定写真はFE103M L+R(リスニングポイント)。低域は40Hz付近から出てはいるのですが、125Hzが落ち込んでしまい、中域のレベルも相対的に高いので、厚みが不足して、完成度としては、いまいち・・・。第二ダクトの調整で、何とかしたいところですが、はたしてうまくいくでしょうか??このサイズでバランスをとりながら、40Hzまでの再生は欲張りすぎでしょうか・・・。
2006.8/17
Midnightを大型化!−4−
サイズ:H450・W200・D300(縦長の写真、左側が新作)。3度目のマイナーチェンジです。
測定写真は左が片Ch、右がL+R。ユニットはFE88ES−R。
今回はストックしてあった新品ユニットを取り付け、内部配線もオーディオテクニカのAT6S60を用いました。
容積アップ、高級ケーブル、新品ユニットの相乗効果でしょうか、中高域がより繊細で肌触りもサラッとし、誇張感が無く自然な印象です。低域はゆったりとして、聴感上少し伸びたように感じますが、パンチ力は若干低下。
最初の作品と比べると自室での測定結果(スペアナに現れない120Hz付近の谷を感じます)は優秀ですが、音はどちらも甲乙付けがたい魅力を持っており、優劣が付けられません。自己満足度の高い両モデルですが、二つも置くスペースが無いので悩むところです。
2006.8/24
Midnightを大型化!−5−
”Midnightを大型化!−3−”の第二ダクトを変更した、マイナーチェンジ・バージョンで、中低域に厚みが加わりました。
写真は左がFE103E(以下E)。右がFE103M(以下M)。上段がL+R、下段が片Chの測定結果(距離は1.4メートルくらい)。
片Chの方が、違いが判りやすく表れています。
Mの方が中高域のレベルが高く、カチッとして切れ込みの鋭い、いかにも”旧型”といった音です。
EはMとの比較では、高域のレベルが若干低いので、バランス的には聞きやすくなりますが、耳に付く音があるため、”きつさ”を感じ、ニュアンスもMより不足気味です。これはエージング不足が原因か?
双方共に低域の量感や力強さは、程好い感じですが、FE88ES−Rと聴き比べてしまうと、中域寄りのバランス特性だと強く感じます。
今後は、中域の滑らかさを少しでも出せるように、ユニットや吸音材の細かな調整を行うことにします。
2006.8/25
FE103Eに2mm厚のフェルトを貼り付けてみました。フェルトの裏面には粘着テープが付いていますので、作業は簡単です(ダイソーで購入)。
音の変化としては、余分な響きが抑えられたようで、透明度や繊細さが向上し、それに伴い埋もれていた細かな音も聴こえてきます。音像のピントが合い、音場の見通しも良くなりましたが、”滑らか”という方向ではありません。
こんな簡単な対策でも効果があるのなら、フェルト以外でも試してみたくなります。
2006.8/26 追記
調子に乗って、フレームの裏側(振動板側)にもフェルトを貼り付けたところ、音の抜けが悪くなり、音質が低下しました。振動板の裏面から出た音の反射が減って良くなると思ったのですが・・・調整は難しい。
2006.8/26 FE103E(対策済み)〜試聴〜
BHにはBHの、DBにはDBの音があるように、どんなSPも、その方式による音の傾向からは逃れられません。今回の作品は、10cmユニットを用いた小型DBです。
エージング効果か?対策の効果か?最初のニュアンス不足が嘘のように、高解像度な中高音が出てきました。10cmらしい・・いや、Fostexらしいと言うべきでしょうか、硬質ですが質感の高い中域は音離れがよく、ボーカルやピアノが明瞭で、音場の前後感もうまく表現します。高域は粒立ちがよく、細かな音もよく分解します(チョット刺激的!)。低域もDBらしい質感で、よく出ており、押し出しもいいのですが、ソースによっては、やはり中高域が優位なバランスになります。FE88ES−Rと比べると、肉付きは細めで、しっとり感や滑らかさで差をつけられますが、これはユニットの性格が違うのですから無意味な比較かもしれません。むしろ昔ながらのFostexファンなら、元気なFE103Eの方が、しっくりと馴染む音でしょう。
2006.8/27 FE103M(対策済み)〜試聴〜
FE103Mにも、Eと同じように対策を施しました。
あらためてMを聴きなおし、Eと比較してみると、実在感があり、低域の深み、量感、パワー感に優れ、特に芯の強さ、張り出し、瞬発力はEを圧倒しています。しかし、最高音域での表現力、分解能、ホール感やエコー感はEが圧勝。ボーカルは、好みから言えば”M”かな〜。
意外だったのは、Mの方がバランスよく聴こえたこと。この時点で”きつさ”を残しているEに対して、Mは”しなやかさ”を出してきました。エージングの進み方が違うためでしょうか?
ユニットの音や優劣、エンクロージャーとの相性は、簡単に結論付けることは出来ませんが、今のところ大雑把に言えば、ONマイク録音なら”M”、OFFなら”E”という印象です。
2006.9/3 第二ダクトの微調整

FE103Mの、ストレートで鳴りっぷりの良い音に対して、Eの方は、もう少し低域方向に量感が欲しいと感じます。そこで、第二ダクトの面積をほんの少し広げてみました(写真左、天板に青い布が乗っているのが新作です)。現物を注意深く観察しなければ、違いが判らない程の微調整です。
特性は、前回の測定結果と同じと言っていいほど酷似しています(軸上片Ch。左が新作)。しかし聴感では、芯の強さはMには敵いませんが、狙い通り、中低域が安定したように聴こえます(単なるユニットのエージング効果か?)。
吸音材の吟味など、まだやれることはありますが、これで一先ず”Midnightの大型化”は、それぞれのユニットに対し、自己満足度の高い結果を残すことが出来たと思います。
*SP製作において、使用ユニットによる音質の格差は致し方ないところですので、箱とユニットのマッチングこそが完成度の決め手と考えています。*
2006.9/10 FE103E、お前もか?!
9月3日掲載の箱に、FE103Eを取り付けてエージングを進めていますが、音の変化が気になってきました。まず、低音の量感が増し、全域のバランスが整ってきました。これはもう充分に、いい塩梅です!!
高域は硬質感が後退し、嫌な刺激音もかなり減りましたが、同時に解像度や浸透力が落ちたように感じます。
103Eに限らず、83E/87E/88ESといったESコーン使用の新型ユニットは、本来高域がよく伸びているだけに、より顕著に感じるのかもしれません。しかし、あの高解像度な高域が、もう聴けないのは残念でなりません。更に高いステージに向かって、もう一皮剥けてくれるとうれしいのですが・・・。
一方、103Mは絶好調です!最高音域の繊細さは、やはり”E”ですが、艶と切れのよさで、うまく聴かせてくれますので”高域はEの圧勝”という印象は払拭されてしまいました。さすがは”メモリアル”。旧型ですが、長い歴史と限定品の意地を感じます。
この先、更なる音の変化があるかもしれませんが、エージング効果も程々にしてもらわないと、箱の調整が大変です!それにしても今日は蒸し暑い!湿気の影響も大きいのかもしれませんね?
2006.9/14 FE103E再測定
全域のバランスが整ってきたところで、FE103E(L+R)の再測定を行いました。スペアナでは殆ど変化がありませんが、聴感上の中低域の量感は”M”を上回り、ポップスやロックでバランスよく聴こえるソフトが、数多く存在することが判りました。アコースティク系オン・マイク録音で強みを発揮する”M”とは性格が違いますので、あとは好みでしょう。
”103”は、その中域の質の高さから銘機と言われていますが、小型バスレフでは細身になり低音も出ませんし、BHでは磁気回路の弱さが目立ちます。それじゃぁDB向きかというと、スペック的には?です。つまり、私にとって”103”は「中途半端で使いにくいユニット」だったのです。しかし今回の実験結果から、今迄の”103”に対する評価や価値観、それに位置付けを改めなければならないと感じています。
「これで完璧!」などではありませんが、比較的小さな箱を使って、もともと低音の出にくい”103”から、バランスの良い低音を引き出す試みは、これでひとまず終了です。
2006.9/18 FE88ES−Rを装着してみたら・・・
上記の箱に(・・と言っても全く同じ物ではなく、新しく作った箱です)、FE88ES−Rを装着してみました。元々この箱はFE103MとE用に、容積は勿論、ダクトのチューニングや、第一空気室の吸音処理に至るまで、わりと細かく調整していますので(本当はMとEでも吸音処理は少し変えています)、88ES−Rでは試していませんでした。
測定写真はL+R。特性は、まずまずといったところですが、音は開放感がなく冴えません。第一空気室の吸音処理が大きく影響しているように思うのですが、容積やダクトのチューニングも、FE88ES−Rにはベストではないようです。
2006.10/5
MG850を装着してみたら・・・
”2006.8/17 Midnightを大型化!−4−”で製作した箱に、MG850を装着してみました。
測定写真は、左が軸上、右がL+R(リスニングポイント)。
まず、取扱説明書のスペックを確認・・・「この箱ではボンつきそうだなぁ・・・」と思いつつ、試聴開始。
測定にも現れていますが、やはり低域のレベルが88ES−Rに比べて上昇しています。しかしボンつくほどではなく、量感が増した程度でなんとか収まっていますので、聴感上の帯域バランスは良好。
音質は「88ES−Rを基準に仕上げたのでは?」という印象を受けました。全域に歪が少なく、ボーカルは、さらっとした傾向ですが、滑らかな質感も出してくれます。高域は、きついとか、うるさいといった印象は無く、艶やかで粒立ちもよく、そして優美。
低域は低能率なこともあり、馬力は88ES−Rに軍配が上がりますが、量感と深みがあり、クラシックには好適。また、意外とタフな振動板で、対入力に優れている点も、忘れてはならない特徴の一つです。そしてなにより
アコースティックな音源との相性がよく、楽器の音色が第一級!ニアフィールドにもいいかも!
旧型・・例えばFE108Sのように”前へ前へ”と出る音ではありませんので、物足りなさも感じない訳ではありませんが、FE88ES−RやMG850の高解像度で良質な音を聴いてしまうと、「オーソドックスなハイファイもいいな」と納得してしまいます。
問題があるとすれば、この箱とのマッチングです。開放感がやや不足して、窮屈な感じを受けますので、やはり専用の設計と調整が必要です。まぁ、この箱だと75点位かな?。
<追記>
ユニットの印象を、もう少し・・・
実にエレガントで音場の見通しが良く、やはりニアフィールドでも一組使いたい!が、もう手に入らない?
<追記>
2006.10/9〜Fostexの底力!〜
金属振動板ということで、かなり懐疑的な先入観を持ちながら「どこか悪いところはないか?」などと意地悪な気持ちで試聴を繰り返していますが、聴けば聴くほど、この音に惚れ込んでいきます。
耳が慣れたのか、エージングが進んだのか?ボーカルの質感も問題なし!
MG850の低域は、ソリッドな方向より、量感とバランスで聴かせる所に設計者の狙いがあるように感じます(箱次第でしょうが・・・)。力もあります!これほどダブルバスレフ特有の低音感をうまく引き出してくれるユニットは、なかなかありません。この箱との組み合わせでは、低音感に加え、ホール感も良いので、このサイズでもフルオーケストラが得意ジャンルです。中高域も、G850(メーカー完成品)を店頭で聴いてますので、間違った方向ではないことを確認しています。
このユニットの出現で、Fostexの底力を見せつけられました!特にフルレンジファンには、大きな衝撃を与えるのではないでしょうか!?丁寧に作り込まれたユニットです!
<追記>2006.10/12 4〜6KHzの凹み
最初の測定で4〜6KHzに凹みがあることは判っていましたが、ここをフラットに出さなかったのは、設計者の意図するところなのでしょうか?たしかに中高域ともいえるこの帯域には、金属的な響きは少なく、むしろ耳障りになる音をうまく押さえて、コントロールしているような感じがします。(普通なら欠点になりそうなのですが・・・)このあたりは、やはりデジタルオーディオを意識した、音作りなのかもしれません。もちろん勝手な推測ですが・・・。
2006.10/18
FE107を装着してみたら・・・
”2006.8/24 Midnightを大型化!−5−”で製作した箱(この箱はダクト調整前の物です)に、FE107(旧型)を装着してみました。
測定写真は、L+R(リスニングポイント)。
力強さや瞬発力は103には敵いませんが、程好い感じで切れもあり、ボーカルが聴きやすく、音場の再現や雰囲気もよく伝わってきます。これは予想を大きく裏切る健闘振りです!このぶんだと、FE107Eもいけるでしょう。Fostex以外のユニットも取り付けてみたくなりました。・・・いいじゃないか、この箱。
2006.11/15
MG850を装着してみたら−2−
”2006.8/17 Midnightを大型化!−4−”で製作した箱と同じ設計の箱の第二ダクトを調整してみました。調整と言っても、単に板をはめ込んだだけですが・・・。ダクトが長くなり、共振周波数が下がりましたので、ダブつきが抑えられ、スッキリとして聴きやすくなりました。こうなると、更に最低域も欲張りたくなります。
2006.11/19
追記〜特別重い箱〜
上記の箱ですが、やたらと重い合板でしたので、完成したSPの重量を測ってみたら、なんと1本あたり1.7kgも重い箱でした!
音の方も、幾分力強く、カチッとしているように感じます。ダクト調整後に、FE88ES-Rも取り付けて聴いてみましたが、MG850よりも磁気回路が強いので、瞬発力や力強さで差を見せ付けます。ボーカルも慣れ親しんだ質感で、なんか「ほっ・・」としました。いいです!88ES-R!
製作は、とにかく板が硬かったので、開口部のR加工は大変でした!それに、少し反りがありましたので、精度もいつもより不十分。とにかく厄介な板でした!音が良くても、もうこんな板は買いません!懲り懲りです。
2006.12/2
追記〜第2ダクト調整後の特性〜FE88ES-R〜
測定写真はリスニングポイントL+R。第二ダクトを延長して共振周波数を下げましたので、125Hzのレベルが低下しました。音が多少スッキリしたのはこのためです。この部屋で聴く分には、あまり必要のない調整ですが、頑丈な部屋にはこちらがいいでしょう。
2006.12/2
Midnight8.5U
第2ダクト調整後、最低域をもう少し延ばしたいという欲が出てしまい、第一ダクトにも手を加えました。
2006.10/5 の測定写真(L+R)と比べると40Hzのレベルが上昇。しかし100Hzを除く、低域はレベルダウン。ここまでは狙い通りです。ついでに100Hzも下がってくれれば、かなりフラットな特性になったのですが・・・。しかしこれでも、まだまだ音に厚みがあり、また、最低域上昇のおかげで、オルガンなどを聴くと前作に差をつけます。
MG850の良質な中高域に、このソリッド感より量感優先の低域で、クラシックをゆったりと楽しむのも、いいでしょう。
2007.2/19
”Midnight BS(バスレフ)”の製作
サイズ:H340/W150/D250(オリジナルと同じ)内容積は約6リットル。
測定写真は、左から片Ch軸上45cm/軸上1m/リスニングポイント付近L+R(共に高さ45センチの台に設置)。
もともとMidnightは、バスレフ/ダブルバスレフ/バックロードホーンのシリーズ化を予定していましたので、今回はバスレフタイプを実験的に製作してみました。
使用ユニットはSA/F80AMG。このユニットは、音が厚く低音に量感があります。しかし、瞬発力や力強さはそれ程ではありません。今までいろんな箱(自作以外も含む)で聴いてきたのですが、中低域のパコパコ音も気になります。高域はチリシャリして癖が強い傾向にあります。中域はしなやかで耳障りがよく、前方にも後方にもよく広がる音場は、このユニットの持ち味でしょう。
私はFostexファンですが、けっこうこのユニットの中域と音場感が好きで、幾つか箱を作ってきました。今回は6リットルのバスレフ箱ですが、音の切れと瞬発力を補うことを目的として、ユニットのすぐ後ろに仕切り板を設け、プレッシャーを与えています。仕切り板は定在波防止の為、並行面を避け、斜めに設置。そして3方向に空気が流れる仕組みになっています。仕切り板の隙間はダクトとして働いてしまうと困りますので、板の角は全てR加工。更に補強と定在波防止にと、箱の中央部に補強板を一枚設置。
ダクトの共振周波数は60Hz。しかし、F特から察すると、うまく働いてない??
<試聴〜SA/F80AMG〜>
鳴りっぷりは小型バスレフ箱そのものです。
このユニットからはソリッドな低音など望めませんが、程好いダンピングと厚み、そして、そこそこ力のある低音が得られました。声は温かく落ち着いた印象。このSPだけ聴いていれば中域の明瞭度が高く、切れも聴きやすい程度で良好。ユニットを囲い込むように斜めに設けた仕切り板の効果が出たようです。もう少し吸音材を減らせば(ユニットのすぐ後ろには吸音材は入れてません)全体の抜けが良くなると思いますが、音は軽くなるので好みで調整するしかないでしょう(いまさら出来ませんが)。ソースによっては、やはり時折顔を出すパコパコ音が気になりますし、高域の癖も強いと感じる場合もありますので、決して手放しで”いい音だ!”などとは言えませんが、このユニットにはやはり”妙な魅力”を感じます。
2007.2/20
”Reach BS”の製作
サイズ:H300/W150/D250(”Reach”と同じです)
”Midnight”の姉妹機である、”Reach”のバスレフバージョンです。
”Midnight”より小型ですが、内容積は1リットルほど大きくなり、約7リットル。
<ユニット>SA/F80AMG(使用頻度の少ない物を取り付けました)
<測定写真>左から片Ch軸上至近距離?cm/軸上1.25m/リスニングポイント付近L+R(共に高さ45センチの台に設置)。
今回の箱も”Midnight BS”同様、ユニットにプレッシャーをかけた設計です。更に一枚の吸音材を薄く剥がして、使用量を減らしてみました。
<試聴〜SA/F80AMG〜>
至近距離での特性は、100Hzまで一直線!しかし少し離れると・・・。自室での測定なんてこんなもんです。
音は1リットルの差が出て、スムーズになりました。中域の張り具合は同等ですが、吸音材が少ないので、鮮度がアップしています。低音も伸びており、よりワイドレンジになりました。このSPの後にSスワンを聴くと高域が足りず、中域は曇って聴こえます。Sスワンは本気で使いこなす覚悟が無ければ、いい音が出ません
(反省)。
このユニットに関して『けっこうこのユニットの中域と音場感が好きで』と先日書きましたが、実は3セット所有しています。冷静に考えると”けっこう好き”というより、”かなり好き”なようですね。
8cmのユニットのバスレフですから、中音量も厳しいですが、狭い部屋ならこれで充分かなと思ってしまうほど迫力のある音が出ますし(勿論ソース次第であることは言うまでもないですが・・)、打楽器にも力があります。中域は鮮度が高くボーカルが秀逸。ギターは艶があり切れもよく、バイオリンはしなやか。ベースはゴリッとした質感は出ますが、最低域は音量がついていきません。音場の描写が見事で、クラシックにも好適。
とまあ、かなり褒めたててみましたが、高域の癖は気になることもあります。中低域のパコパコ音は、ユニットが比較的新しい所為か、ほとんど気になりませんでした(全く無いと言う事ではありません)。
”Reach BS”は”Midnight BS”を作るより、はるかに簡単に出来ますので、工作入門機として最適?かも知れません。
2007.2/21
”Midnight BS”+W3-1231SH

”Midnight BS”は、W3-1231SHも取り付け可能となっています。こんな事をわざわざ書くのには、理由があります。ユニットの取り付け穴付近のフレームにご注目ください。W3-1231SHはSA/F80AMGに比べ、フレームの外周と取り付け穴の隙間が極端に狭いことが判ると思います。
バッフルにツメ付きナットを打ち込む際、通常は直径6ミリの穴を貫通させますが、このユニットの場合6ミリではフレームの外にまで下穴がはみ出てしまう可能性があるのです。そこで、表からは直径4ミリの穴をあけ、裏からは6ミリの穴を深さ10ミリであけるといった面倒な作業をしています。
直径4ミリの穴というと、ボルトと同じサイズですから、作業にはかなりの精度が要求されました。
ボルト締めには少々きつい箇所もありますが、ユニットは無事に取り付けることが出来ました。

<測定写真>左から片Ch軸上至近距離?cm/軸上1m/リスニングポイント付近L+R(共に高さ45センチの台に設置)。
<試聴〜W3-1231SH〜>
音はF特以上に厚みがあり痩せた印象はありません。高域はやはり不足気味で、もっと音に艶が欲しいと感じます。見た目は気に入ったんですが、箱の設計が合っていません。
もう少し大きくしてみようか・・・その前にMG850で作ってみようか・・・。いずれにしても作り直しです。
2007.3/11
”Midnight BSU”+SA/F80AMG
サイズ/H340・W150・D300
サイズの割りに内容積は少なく、約7リットル。
開口部の面積は、見た目のバランスも考えていますので、設定が難しいところです。
底板の一番厚い所は15mm厚の合板が4枚重なっていますので、なんと6cm!小型箱はユニットを装着した時点で、箱の重心が上がってしまいますので、これで少しは下がってくれるでしょう。(まぁ、こんなことより、基本設計が大切ですが・・・)

<測定写真>左から片Ch軸上至近距離?cm/軸上リスニングポイント付近Lch/リスニングポイント付近L+R(Sスワンの肩に設置)。
<試聴〜SA/F80AMG〜>
結構な馬力を伴って、ソフトタッチですが量感のある低音がバンバン飛び出してきます。リスニングポイント付近での特性では、40Hzからの低域が中域と同等のレベルです。通常の高さでは低音が出過ぎるので、60cmほど上げて聴いてみたところ、ようやくバランスが取れました。これは、やりすぎました。
中域は、パンチ力があり、切れも上々。
実は今回、前回使用した吸音材が一台分しか残っていなかった為、片Chには新たに購入したサーモウールが入っています。サーモウールは初めて使いましたので、適量がつかめず、若干使用量が少なかったように感じます。また、低音過多の所為か?Reach BSと比べ、少し音場が狭く感じますので、もう少し調整してみたいと思います。
2007.3/12
”Midnight BSU”+W3-1231SH

<測定写真>左から片Ch軸上至近距離?cm/軸上リスニングポイント付近Lch/リスニングポイント付近L+R(Sスワンの肩に設置)。
<試聴〜W3-1231SH〜>
フカフカのじゅうたんの上を歩いているかのような音。ハイ落なのに低域が伸びているので、バランスが悪く、しかも音がゆるい。そこで、チョット調整・・・空気室の調整後は、少し低域が締りましたが、ツーイーターが無いので、とてもいい音とは言えません。しかし、なんとなく心地が良いのです。まぁ、これはこれで、いいかぁ−!
2007.3/14
<試聴 2〜SA/F80AMG〜>
SA/F80AMGは、8cmユニットの中でも低能率型で駆動力も弱いユニットです。それ故に、低音は量感豊かにゆったりと鳴ります。中域は肉付きがよく、しなやかでしっとりとした質感が持ち味です。高域にはピークがありますが、音場感や効果音には適した特性と言えます。しかしFE83EやFF85Kの音に慣れた耳には、鈍重で覇気が無く、爽快さや力強さに欠けます。違うユニットなのですから、同じ音など出る訳がないですし、ましてやそんな必要も全くないのですが、FE83Eの軽快さや反応のよさ、FF85Kの力強さに少しでも近づけたいという欲求があります。
そこで、SA/F80AMGの長所はそのままで、少しでも活気ある音にしようと創意工夫したのが、Midnight BSUです。
この箱の特徴は、ユニットのすぐ後ろに、ユニットを囲い込むように仕切り板を2枚取り付けているところです。仕切り板の設置位置は、私の過去の作品(SA/F80AMGを使用した実験機)を基に”中域の質感を保ちながら音に張りを与えることが出来る空気室の容積”を目安にして決めました。更に定在波を減少させるべく、仕切り板は斜めに取り付けています。定在波を減らすことが出来れば、吸音材の量も少なくてすみ、ひいては音の抜けの向上につながります。
また2枚の仕切り板は、側板以外には密着させずに独立しているため、天板及びバッフルとの間にも隙間ができます。つまり振動板に押された空気は3方向に流れることになります。それぞれの隙間は寸法が異なるので、そのどれかを塞ぐことで、音の張り具合を調整することもできます。
基本はバスレフですが、上記のように背圧を加えるだけでなく調整することで、振動板の振幅を制御できることから、この方式を『スゥイング・コントロール・バスレフ(SC・BS)』と名付けました。(はじめから、最適値にあわせれば済むことじゃぁないのか!?)
<試聴>
音楽を楽しむために必要な帯域を、非常に聴きやすいバランスで確保しています。
FE83Eの軽快さや反応の良さ、それに、FF85Kの力強さには及ばないまでも、SA/F80AMGの持ち味が存分に発揮され、ほぼ狙い通りの音になりました。いや、それよりも比べることが無意味に思えるほど、これはこれで納得ができる音に仕上がりました。
8cmユニットですが、小音量よりは少し音量を上げた方が、本来のクオリティを発揮します。(しかし、上げすぎは禁物!)これは、振動板の反応があまりよくないので、ある程度の音量が必要なのでしょう。それ故に、再生系はカチッとした音の出るものを選びたいところです。
製作者の思い入れも考慮して・・ですが、「まずまずの高い音質レベルで、広い守備範囲を実現できた」と解釈することが許される音になっていると思います。
もっと切れが欲しいとか、力が欲しいとか、静寂感が欲しいとか、大音量を出したいとか、厳しい注文ならいくらでも出来ますが、サイズやユニットの価格を抜きにして考えても、小空間であれば”足るを知る”ことが出来るSPシステムです。
2007.3/18
<マグネシウム対決?>
Sスワンは、SPスタンドと化しています(笑)。仕方ないんです、部屋が狭いのですから。
SA/F80AMGの振動板は、マグネシウム合金(アルミ・マグネシウム)センターキャップは全く違う素材。MG850はセンターキャップも含めて純マグネシウム。
箱のサイズからくるスケール感は流石に差が出るし、品位はMG850が数段高いし・・・でも、なんとなく似たような音がするなぁと思ってしまったのは気のせいか?(ちゃんと聴け−!っと怒られそう)
この二つのユニットには大きな価格差がありますが、「これはこれでいいか・・」とやっぱり思ってしまいました。もう少し改良はするつもりですが・・・。
2007.3/18
<ダクトの調整>

”Midnight BSU”のダクト内部に1mm厚のコルクシートを貼り付けました。
開口面積が狭くなりますので、聴感上低域の量感が減少しました。コルクシートの吸音効果も若干あるのかもしれませんが、中高域の鮮度もアップしています。
開口部全体にコルクシートを貼り付けたかったのですが、底板とすぐ上の板の長さが同じで段差が無い為、R部分まで覆いませんでした。理由は中央の写真を見ていただくと分かりやすいと思います。1mmの段差が確認できますでしょうか?。いつもは1mmの段差を設けて製作しています。
(貼り付けた後に気が付きましたが、ダクトの上の部分に貼れば見栄えも良かったのですね・・・。)
スペアナでは低域もよく伸びていますが、サイズの限界はMidnight8.5Uと聴き比べれば一目(聴?)瞭然です。小型は小型です。振幅が大きくなるので、大きな音など出せません。
小空間専用です・・が、小音量に特化してるわけでもないので、SPとしての位置付けが難しいかもしれません。
無調整の頃から比べると音を絞りましたので、随分迫力がなくなりましたが、それでもいい味を出してくれるので、聴き応えはあります。
ソースによっは中低域のポコポコ感と高域のピークは依然残したまま・・・これらは設計で取り除くことが出来るのでしょうか??
*測定写真 リスニングポイント付近 L+R
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