P2-6. ART(1) 西ウイミンズクリニックでの不妊治療による妊娠実績は2002年末までに1400名を越えています。
   ★ART(Assisted Reprodactive Technolozy)

 【1】 はじめに 

  当院、西院長がARTに携わり19年以上の月日が流れました。最初にARTで誕生した赤ちゃんは、2003年高校を卒業します。この20年、ARTを取り巻く環境は大きく変化しています。  
  当初は、全身麻酔による腹腔鏡下で採卵が行われていましたが、現在は静脈麻酔により経腟的に外来ベースで行われています。培養液も自家製でしたが、現在では多くの既製品の中から選択して使用している状況です。     
  また、社会のARTに対する概念も変化してきました。「そんなことをしてできた子は普通の人間じゃない」と治療を受けている人達は周囲のその様な言葉に傷つけられてきました。このため、生まれてくる子が、偏見視されないよう、プライバシーを守ることに神経をすり減らしてきました。今でもごく一部にはそのようなとらえ方がないとはいえません。しかし、少子化がどんどん進み、またARTによりこの世に誕生した子供たちが他の子供たちと何ら変わりないことを確認しつつある現在、日本の社会はARTに頼らざるを得なくなってきています。  
  さて妊娠率はといいますと、顕微授精や精巣内精子回収、胚盤移植法など様々な手法の出現、あるいは培養液の改善、医学の発達による種々の病気の解明などにより、少しづつその成果は上昇しているといえます。しかし、どんどんよくなっているかといえば、決してそうでもないのです。私達にはまだまだ手の及ばない、計り知れない謎がありますし、また人間の身体も早いスピードで不妊が進んでいるのかもしれません。  
  私達はたゆまぬ努力をしていく他ありません。  

 【2】 不妊治療に関する略歴

 
1981年5月 細胞培養、組織培養開始 (福井医科大学 富永教授指導のもと)
1982年1月  オーストラリアにてヒト体外受精の指導を受ける(イギリスについで世界第二番目の成功地)
1983年6月 哺乳動物の体外受精研修 (京都大学 入谷教授指導のもと)
1983年11月 ヒト体外受精、胚移植に着手 (福井赤十字病院)
1984年10月 第1号妊娠 (着手後 17例目)
1985年7月 第1号体外受精児誕生 (我国5施設目 市民病院としては日本初の成功)
1986年2月 再びオーストラリアにて人胚凍結保存について指導を受ける
1986年6月 イギリス(世界初の成功地)にてヒト体外受精の指導を受ける
1986年7月 初のGIFT法による妊娠成功(我国3施設目)
1987年3月 GIFT法の生みの親、アメリカ カリフォルニア大学にてR・ASCH博士よりGIFT法に関する指導を受ける
1987年11月 ヒト体外受精 京都国際シンポジウムにて(男性不妊に対するGIFTの有効性)について講演
1988年5月 排卵障害女性に対する新薬(GnRHアゴニスト)で体外受精児出産(我国初)
1990年12月 50人目の体外受精児誕生 
1993年8月 顕微授精の研修に参加(世界で初の牛の死滅精子を使用し顕微授精に成功した鹿児島大学農学部 後藤教授のもと)
1996年7月 ヒト精巣精子を用いる顕微授精の研修に参加 (ヒトの精巣精子を使用した顕微授精で、日本初の妊娠をさせた福島県立医大 星助教授のもと)
1995年〜1996年 岐阜・三重にて体外受精・顕微授精の指導、研究 
1996年11月 西ウイミンズクリニック開院
1997年9月 開院後初の顕微授精児誕生
1997年10月 重症男性不妊患者をICSI(顕微授精)にて妊娠・分娩 (福井県初)
1998年12月 無精子症患者をTESE-ICSI(精巣精子顕微授精)にて妊娠・分娩 (福井県初)
2000年3月 ピエゾー、ICSIにて妊娠・分娩 (PHOTO)