著作の世界

『哲学者 西田幾太郎の書の魅力』

 世界的な哲学者西田幾太郎は多くの書作品を残している。独自の思想を深奥に秘めたそれらの作品は、技巧に走らず、技巧を超えた限りなく無我の境地に近いよい書である。その魅力を日記や書簡、良寛や中国の歴代能書家の作品などで読み解いたもの。

『雅遊人 細野燕台の生涯』

 美食家、陶芸家、篆刻家として没後五十年の今もファンの数が増え続けている北大路魯山人。その人の影には彼を世に出すためになくてはならない大事な存在であったのは、細野燕台という金沢の文人であった。燕台は人と人とをコーディネートする稀なる才能の持ち主であった。芸術家は常に自分と感性が響き合う人を切に求めており、その響きの波紋を広げたいと望んでいる。感性が共鳴する人達を引き合わせる才能を持った燕台という人物にめぐり合った魯山人はまさに幸運であった。風雅に遊ぶパトロンの燕台との出会いにより、才能が開花された魯山人、その作品と人物の魅力を読み解く著書。またミニ講演活動を行っている。

『文字万象 中国少数民族の古文字』

 中国少数民族の古文字は30種類を数え、各倅々独自の歴史をもっている。最も早いものは紀元2~3世紀に創製されている。チベット文字、突厥文字は紀元7世紀、回鶻文字は8世紀、契丹文字は10世紀、西夏文字は11世紀、女真文字は12世紀、蒙古文字、八思巴(バスパ)文字は13世紀、満州文字は16~17世紀にそれぞれ創製されたものである。彝(イ)文字とタイ文字はいつ頃創製されたのか確かな記載はないが、史書より彝文字は紀元2~3世紀、タイ文字は5世紀頃と推測される。

 これらの文字は、大陸の北から南まで空間も時間も途切れることなく発展して、中国周辺文化を培ってきた。本書はこれらの古文字を基調な資料とともに解説したものである。

『篆刻アート/その見方・楽しみ方』

中国伝統芸術の篆刻を集合作にデザイン化し、現代の生活空間にも合う新感覚のアートにし、「てんこくアート」と名付けた初めての本である。(1998年)