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造形業。聞き慣れない業種だが、吉澤さんが作るのは博物館やイベントの装飾、モニュメント、テレビスタジオのセットなどで、ディズニーランドのアトラクション関係、現代美術アートの第一人者村上隆さんの仕事も請け負っている。
埼玉県川口市に吉澤さんが経営する会社がある。アルバイトを含め20人弱のスタッフで年商5億円。工場が二つあり、納期が迫ると作業は昼夜に及ぶ。
発泡スチロールで原型を作り、FRP(繊維強化プラスチック樹脂)などのコート材を塗布すると強度や弾力性が増す。テレビ東京の「カンブリア宮殿」で、石積みの古代神殿を思わせる重厚なセットも手掛けている。
特殊な仕事だけに需要が多く「年末まで仕事が切れることはない」と多忙。職人気質で自ら現場に立つ。ピーク時は「1週間で睡眠5時間」という激務で、4年前にくも膜下出血で倒れたが、リハビリが功を奏し「以前よりめちゃくちゃ体調がいい」と苦笑する。
幼少のころから「もの作りが好き」で、彫刻家を目指して日大芸術学部美術学科彫刻科に進んだ。卒業後に研究生として1年間フランスに留学。美大生に彫刻を教えたが「彫刻からいろんなことをやってみたい」と、27年前に個人で独立した。
「生活費のため」に当初は他社の孫請けだったが、繊細で創造力に富んだ仕事が評判となり、1991年に法人化した。
立体と向き合う職業だが、受注しても絵や写真だけとか資料がない。「毎日悩みますよ。時代のニーズに合わせて(自分の)殻を脱いでいかなければいけないところが難しい」と、天賦の才を生かした仕事に情熱を燃やしている。 (八)
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