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成年後見制度-自己責任時代の高齢者・障害者の権利保護、財産管理-

一. 成年後見制度とは
   ○高齢者をめぐる時代背景と悪質商法被害
   ○禁治産・準禁治産の制度(旧制度)
   ○新しい成年後見制度(現行制度)-法定後見と任意後見-

二. 法定後見制度 -後見・保佐・補助-
   ○補助の制度
   ○保佐の制度
   ○後見の制度

三. 法定後見制度の手続
   ○どのような場合に利用をするのか
   ○誰が申し立てることが出来るのか
   ○どこに申し立てるのか
   ○申立必要書類
   ○申立後
   ○成年後見の登記

四. 任意後見制度
   ○任意後見契約
   ○任意後見監督人選任の申立
   ○任意後見監督人の職務は
   ○申立必要書類
   ○後見人の報酬
   ○任意後見契約の解除


一. 成年後見制度とは

○高齢者をめぐる時代背景と悪質商法被害

  現在、日本は世界有数の長寿国となる一方で、核家族化や出生率の低下
による少子化が進行し、高齢者のみの世帯や一人暮らしをする高齢者が急速
に増えており、障害者の高齢化も進んでいます。

※高齢者の一人暮らしや高齢者夫婦のみ世帯の増加は厚生労働省の統計
情報平成14年 国民生活基礎調査の概況を参照してください。

 こうした高齢化の進行で判断能力の衰えた高齢者の方や知的障害のある
方、精神障害など判断能力が不十分な方は遺産分割・不動産処分などの財
産管理や生活・健康管理など療養看護に関する事務(契約)を自分で判断し
て行うのが困難になったり、悪徳商法などによる経済的被害にあう可能性もあ
ります。
特に最近の不景気の時代においてはある程度経済的にゆとりのある高齢者を
ターゲットにした商法が勢いを増しています。

※高齢者や知的障害者等の悪質商法被害については
 国民生活センター知的障害者、精神障害者、痴呆性高齢者の消費者
被害と権利擁護に関する調査研究
 を参照してください。

○禁治産・準禁治産の制度(旧制度)

 そのような時代背景の中、単語だけなら聞いたことがある方が多いと思いま
すが、禁治産・準禁治産の制度が民法改正前にも判断能力が不十分な成年
者を保護する制度として存在してました。
しかし、この制度は判断能力の不十分さが比較的軽度な人を対象としていない、
資格や許可を得て事業を行っている場合に禁治産宣告を受けると欠格事由に
当たって事業の継続が困難になる、後見人の権限が強力なことにより相続財
産争いに利用される、さらに戸籍への記載は差別的なイメージも含めて社会
参加を閉ざしてしまう制度というべきものであっただけに多くは利用されること
はありませんでした。

○新しい成年後見制度(現行制度)-法定後見と任意後見-

 そこで、高齢化社会への対応及び知的障害者・精神障害者等の方々の生
活面の支援に対応するため、自己決定の尊重・残存能力の活用・ノーマラ
イゼーション
(障害のある人も家庭や地域で通常の生活ができるようになる社
会をつくる)等の新しい理念と従来の本人の保護の理念との調和をはかり、よ
り柔軟かつ弾力的な利用しやすい制度として新しい成年後見制度が民法改正
により平成12年4月からスタートしました。

(後見には、未成年者に対する未成年後見もあり成年後見とは区別していま
す。また、身体機能に障害があるため一人では十分に財産上の行為を行うこ
とが出来なくても、判断能力は十分ある人は、成年後見の対象者とはなりませ
ん。)

 「介護保険制度」は成年後見制度と同じ平成12年4月に導入されました。そ
して介護サービス等の利用は、役所が世話をしてくれる「措置制度」から、利
用者が自ら事業者を選ぶ「契約方式」に改められました。さらに知的障害者等
の障害者を対象とするサービスも平成15年4月より措置制度から「支援費制度
」に変わったばかりです。
「支援費制度」も「介護保険制度」と同様、障害者本人が自ら事業者を選ぶ「
契約方式」になったわけです。

それは、「自己決定の尊重」という理念に基づく利用者本位の制度なのですが
その一方でそれは、自分のことはすべて自己責任でやりなさい、ということで
もあります。社会福祉の分野でもさらなる少子高齢化時代に国の財政問題も重
なって国民に自己責任を要求しているとも言えます。
 したがって、判断能力が衰えた高齢者や知的障害者などが契約内容などを理
解し、判断することが難しい場合には当然保護が必要になってきます。
つまり、少子高齢化が進んだ自己責任が求められる契約社会においては成年
後見制度への期待は現在以上に高まっていくものと思われます。

 この新しい成年後見制度は、本人の判断能力が不十分な状態になってから
の法律に基づく法定後見制度と判断能力が十分ある間に自分の意思に基づ
いて、自分の判断能力が不十分になった場合の財産管理、身上監護の事務
について任意後見人に代理権を与える等の契約を結ぶ任意後見制度とがあり
ます。


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