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ナポリのピザ屋さんを大阪に再現
「PIZZERIA ESPOSITO」は、どんな店か。
説明するのは難しい。それは、ナポリのピザ屋さん(ピッツェリア)を、そっくりそのまま日本の大阪・天満橋で再現しようと試みた店だから…。
仲間同士や家族連れ、女性の1人客でも気軽に立ち寄れ、にぎやかで楽しい雰囲気。 ピッツェリアのメニューには、日本のラーメン専門店のメニューにそばやうどんがないように、パスタはない。 そして、割烹料理屋や寿司店のカウンターの正面に板場があるように、 店の中で最も目立つ入り口のすぐわきに、ピザを焼くための平べったい円筒形の石窯がでんと据えられている。 岐阜県にあるメーカーに特別注文した窯だ。哲平が帰国後一時、このメーカーでピザ用の窯のアドバイザーをしていたこともあり、 細部までこだわった。窯の表面にレンガ調のタイルをあしらい、排煙装置も増強。内部には、直径110センチメートル、 高さ約40センチメートルの空間を設け、耐火レンガが張り巡らすなど、高温の状態を長時間保てるよう工夫している。
この石窯があるから、ナポリピザ独特のモチモチとした、やわらかい食感を出せるのだ。
石窯
薪

高温の石窯で一気に焼くからやわらか
哲平が、石窯のアーチ状の挿入口からまきをくべ、内部の温度が上昇するのを待つ。 窯の天井が、高温の炎で熱せられ、真っ白になっていくのが見える。窯の準備ができたところでピザを成形する。 生地の材料は、小麦粉、水、ビール酵母、塩だけ。その日の気温や湿度に応じて、水分や塩分を微妙に加減する。 ミキサーでよく練って、あらかじめ10時間程度、発酵させておく。 こうして熟成された生地は、日本の一般的なピザ店の生地よりも小麦粉の割合が実に3割も少ない。 この生地を両手で手際よくのばす。ナポリ産のチーズやハムをあしらい、石窯に入れる。窯の温度は約460度。 こちらも、日本の一般的なピザ店の設定温度より、かなり高い。アツアツのピザが、ものの1分程度で焼き上がる。 適度に熟成された小麦粉が少なめの生地を、高温、短時間で焼き上げることによって、ナポリピザ特有の食感がうまれる。 モチモチとやわらかく、軽く香ばしい。だから、うまい。女性でも、1枚丸ごと食べられる。これが、本物のナポリピザだ。 本場ナポリでは、「同じ店でも職人によってピザの味、やわらかさが違う」と言われ、そんな職人の個性こそが評価される。 「PIZZERIA ESPOSITO」のピザは、哲平が師匠ガエターノから受け継いだ技のすべてを注ぎ込み、大阪で熟成させた、優しい味のピザだ。
取材・編集/村上 晋
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