杉山さんについては、例年の8月15日の「終戦・特集」になると、新聞紙面に記事が出ます。記事は、全傷連の活動が中心です。映画「人間の碑」は、全傷連の活動はもとより、杉山さんの日常を取材します。
名古屋ドームの近くの市営住宅に杉山さんは1人で住んでいます。週2日はヘルパーさんがやってきます。別の週2日は、病院です。日曜はキリスト教の教会。残りの2日は活動です。さて、市営住宅の部屋は、書斎と「衣装部屋」(?)です。本を読む時は、レンズを使います。読書家であり、勉強家です。「衣装」は盛りだくさん。一つ一つの服には、想いが込められています。
例えば、大学の恩師と通った鰻屋(その店主夫婦との交流)、30年以上通い続ける洋服屋(その女主人の杉山さんへの想い)。名古屋の慰霊祭で、沖縄の平和集会で大好きな歌を歌います。
また、全傷連活動に見る杉山さんの姿は、力強いリーダーであり、闘士として登場します。しかし、全傷連も人間の集まり。杉山さんにも葛藤、焦り、嘆き、怒りが襲います。
さらに、杉山さんは、2001年に乳ガンを患い、左乳房の全摘手術を受けました。
「碑」は、戦災傷害者としての杉山さんのみならず、鰻や穴子や小肌が大好きで、おしゃれで、歌が大好きな杉山さん、乳ガンと闘った杉山さん、喜び、怒り、哀しみ、生きている今を楽しむ人間=杉山さんを描きます。
90歳。卒寿の杉山さんに本音を迫ります。ありきたりのインタビュー、予測された答えではありません。全傷連のこと。会をつくって、30年以上、辛かったこと、悔しかったこと、仲間のこと…人生、ガン告知、今を生きること…本音を語ります。
つい数年前のこと、病院の婦長さんが杉山さんに常々「お歳ですから無理をしないように」と言っていたという。ところがその婦長さんが、先頃「老人施設」に入った。
杉山さんいわく、「老人施設」なんてものは、「老後」に入るもの!
それが杉山さんなのです。そう、今も現役なのです。
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