ジェイムス・グリフィンの想い出を綴るといってももちろんグリフィンと直接合った事はなく、残像もBread is Backが唯一のビジュアルです。しかしこれまで彼が残してきた音楽は私を強く引き付けてきました。彼の作品から感じる音楽感性と史上とを踏まえて少し書いてみたいと思います。

ジェイムス・グリフィンが亡くなって感じた事はブレッドというバンドはグリフィンにとってどういう存在であったのだろう、という率直な思いです。60年代後半グリフィンはソングライターとしてそこそこの実績を挙げつつありました。62年にリプリーズからリリースしたSummer Horiday以降、歌手としてメジャーには成り切れずライター活動に比重を置くようになります。スナッフ・ギャレットの門下、マイク・ゴードンとライター・コンビを組みサジタリアスやボビー・ヴィーらに曲を提供し少しづつ名が知られるようになっていきます。ブライアン・ハイランドと上記の両アーティストとが採り上げたマイク・ゴードンとの共作Get The Messageはリズミカルでポップな好ナンバーです。またエド・エイムスがヒットさせたApologizeもカントリー・タッチのメロディー・ラインの美しい曲です。レスリー・ゴアに提供したBrink of Disasterはチャーミングで明るいガール・ポップでした。コンポーザーとして多彩な才能を発揮する為にも、ロブ・ロイヤーと出会い新しいライター・コンビを組んだグリフィンは自分のバンドを持ちたかったという願望は察しに余りあります。ブレッド・デヴューまでに彼の音楽性も時代と共に変化しています。ロイヤーとの出会いでR&B志向が出始めてきた事はバンド結成に向けてのプロローグだったのでしょう。念願のバンドのファースト・アルバムでグリフィンはロイヤーと共に実力を発揮、早くもパーソナリティを確立しその後6枚のアルバムでバンドの存在価値を示した事は彼の音楽人生に於いて一つの成功を成し遂げたといってもいいかもしれません。しかしエレクトラと世評がバンドのもう一方の大衆性に傾向した既成事実はジェイムス・グリフィンのもう一つの音楽人生の苦悩を生んだのかもしれません。全てのA面ヒット曲のインパクトがあまりに強く一般的な世評からグリフィンの名は置いて行かれてしまった事は確かです。しかしブレッドは世間一般で時折目にするワンマンバンドでは決してありません。それは6枚のオリジナル・アルバムに証明されており、全てにグリフィンのパーソナリティーは鮮明に表出され尚且つ作品としてバランスのとれたものになっているのです。ブレッド名義の全71曲でグリフィンは33曲に関連し、35曲でリ−ド・ヴォーカルを担当しています。ブレッドは職業プロデューサーを受け容れずメンバー自身でバンドをメイキングしてきた事は、グリフィンの音楽活動に於いてもある意味良かったのではないかと思います。バンドの実績の凡そ半分はグリフィンの功績といっても過言ではないでしょう。彼はコンポーザーとしても、またヴォーカル・スタイル(ハーモニー)於いても実に素晴らしい多様性を持っており、バンドのレコーディング及びライブに於いても大きな貢献を果たしました。そういう意味でグリフィンにとってブレッドは掛け替えのないバンドに違いなかった、と私は思います。

ブレッド以降、グリフィンはもう一方の得意分野であるカントリー・フィールドで活躍します。レミントンズはメジャーには成り切れませんでしたがこのバンドも彼の個性がよくマッチされたグループでした。1作目のBlue Frontierでは5曲に関連し3曲でリード・ヴォーカルを担当、2作目のAim For The Heartでは3曲に関連し5曲でリード・ヴォーカルを担当しています。ブレッドのヒット曲Everything I Ownもカヴァーしました。グリフィンのハイ・テナー・ヴォーカルはカントリー・ポップに適合したものを持っており、彼もこのカントリー界で名を上げたかったに違いありません。レミントンズが長続きしなかった理由は分かりませんが、グリフィンの後年の音楽活動を顧みればこのバンド・スタイルが彼の音楽観に合っていた様に感じます。アルバム作品としては最後となった2003年のGriffin,Yancey,Guilbeauではコンウェイ・トゥイティが89年にヒットさせたWho's Gonna Knowをセルフ・カヴァーしました。グリフィンにとってこのアルバムでレミントンズのリック・ヤンシーと息の合った仕事が出来たのは幸いだったのではないでしょうか。

Apologize/Ed Ames,
from“ Apologize”

Brink of Disaster/ Lesley Gore,
from “ It's My Party”

Hotel Indiscreet, Get TheMessage/Sagittarius,
from “ Present Tense”

Who's Gonna Know/Conway Twitty,
from “House on Old Lonesome Road”

For All We Know/Carpenters, from “Carpenters”

James Griffin & Robb Royer

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James Arthur Griffin
1943. 8.10 〜 2005.1.11

BrilliantVocalist.Guitarist.
&Composer

Memorial of Jimmy
Too Much Love